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ハラスメントの種類一覧|法令定義あり6種+職場で多い14種を2026年最新データで徹底解説

ハラスメント

ハラスメント(Harassment)とは、相手に対する嫌がらせや迷惑行為のことです。現在、日本社会で認識されているハラスメントは50種類を超えるとされ、法令で定義された6種類を中心に、職場で発生頻度の高いものから新たに社会問題化しているものまで、その範囲は年々広がっています。2026年10月にはカスタマーハラスメント(カスハラ)対策が企業に義務化されるなど、ハラスメント対策は今やすべての企業にとって経営課題そのものです。

本記事では、厚生労働省の最新調査データや裁判例をもとに、主要なハラスメント20種類の定義・具体例を網羅的に解説します。さらに、指導とハラスメントの「グレーゾーン」の判断基準や、企業が今すぐ取るべき対策6ステップまで、人事担当者・管理職・経営者が現場で使える実践的な情報をお届けします。

本記事の情報は執筆時点(2026年3月)のものです。法令改正等により内容が変わる場合があります。

目次

ハラスメントの定義と現状を最新データで解説

ハラスメントとは、相手の意に反する言動によって不快感や不利益を与え、その人の尊厳を傷つける行為の総称です。英語の「harassment」は「悩ませる」「困らせる」を意味し、日本では1980年代後半にセクシュアルハラスメント(セクハラ)が社会問題化したことをきっかけに、広く認知されるようになりました。

ハラスメントの本質は「行為者の意図」ではなく「受け手への影響」にあります。たとえ本人に悪気がなくても、相手が精神的・身体的な苦痛を感じ、就業環境が害されれば、ハラスメントに該当し得るのです。ただし、法的なハラスメントの認定は、受け手の主観だけでなく「平均的な労働者の感じ方」を基準に客観的に判断される点も押さえておく必要があります。

【厚労省調査】企業の64.2%がパワハラ相談を受けている現実

厚生労働省が2024年5月に公表した「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」(全国7,780社対象)は、日本の職場におけるハラスメントの深刻な実態を浮き彫りにしました。

過去3年間に従業員からハラスメントに関する相談があった企業の割合は以下のとおりです。

ハラスメントの種類相談があった企業の割合前回調査(令和2年度)比
パワーハラスメント64.2%+16.0ポイント
セクシュアルハラスメント39.5%+9.7ポイント
顧客等からの著しい迷惑行為(カスハラ)27.9%+8.4ポイント
妊娠・出産・育児休業等ハラスメント10.2%+5.0ポイント
介護休業等ハラスメント3.9%+2.5ポイント

注目すべきは、すべてのハラスメントにおいて前回調査から数値が上昇している点です。特にカスハラは+8.4ポイントと急増しており、相談件数自体も「増加している」(23.2%)が「減少している」(11.4%)を大幅に上回っています。

一方、労働者側の調査では、過去3年間にパワハラを受けた経験がある人は19.3%(前回31.4%から減少)、セクハラは6.3%、カスハラは10.8%でした。企業側の相談件数が増えているのに対し、労働者の被害経験率が下がっている背景には、防止措置の義務化により「相談できる環境」が整備されたことで、これまで表面化しなかった事案が顕在化した可能性があります。

ハラスメントは現在何種類?50種超の全体像

「ハラスメントは何種類あるのか?」という問いに対して、明確な答えはありません。法律で定義されているものは6種類ですが、社会通念上ハラスメントと認識されている行為を含めると、少なくとも50種類以上、分類によっては100種類を超えるとする見方もあります。

ただし、実務上重要なのは「すべての種類を暗記すること」ではなく、法令上の定義があるもの(企業に防止措置義務があるもの)社会通念上ハラスメントとされるもの を区別して理解することです。本記事では、この2つの軸に加え、職場での発生頻度と2026年の法改正動向を踏まえて、優先度の高い20種類を体系的に解説します。

なぜハラスメントの種類は増え続けるのか

ハラスメントの種類が拡大し続ける背景には、いくつかの社会的要因があります。

  • 価値観の多様化:ジェンダー・年齢・働き方の多様化により、従来は「当たり前」とされていた言動が問題視されるようになった
  • 法整備の進展:2020年のパワハラ防止法施行(中小企業は2022年4月)以降、ハラスメントに対する社会的感度が飛躍的に高まった
  • 働き方の変化:リモートワークの普及により「リモハラ」「テクハラ」など新たな類型が出現した
  • SNSの浸透:被害の可視化・共有が容易になり、以前は泣き寝入りしていた事案が社会的に注目されるようになった

ハラスメント関連の検索数はこの10年で約3倍に増加しており、社会全体の関心が急速に高まっていることがデータでも裏付けられています。

【最重要】法令で定義された6種のハラスメント一覧

法令によって定義され、企業に防止措置義務が課されているハラスメントは現在6種類あります。このうち5種類(パワハラ・セクハラ・マタハラ・パタハラ・ケアハラ)はすでに施行済みで、6つ目のカスハラは2026年10月に義務化されます。

これらは「知っておくべき」レベルではなく、対策しなければ法的責任を問われるもの です。

パワーハラスメント(パワハラ)|6類型と具体例

パワーハラスメント(パワハラ)とは、職場における優越的な関係を背景に、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により、労働者の就業環境が害されることです。2020年6月に施行された改正労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)により、すべての企業に防止措置が義務付けられています。

パワハラの成立には、以下の 3つの要件をすべて満たす ことが必要です。

  1. 優越的な関係を背景とした言動であること:上司→部下だけでなく、専門知識を持つ同僚や、集団での行為も含まれる
  2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動であること:人格否定、業務と無関係な要求などが該当
  3. 労働者の就業環境が害されること:身体的・精神的苦痛により、能力発揮に重大な悪影響がある

厚生労働省はパワハラを以下の 6つの類型 に分類しています。

類型内容具体例(該当する行為)該当しない例
①身体的な攻撃暴行・傷害殴る、蹴る、物を投げつける誤ってぶつかる程度の接触
②精神的な攻撃脅迫・名誉毀損・暴言「バカ」「給料泥棒」等の人格否定、大勢の前での長時間叱責遅刻への注意、業務ミスへの適切な指導
③人間関係からの切り離し隔離・仲間外し・無視長期間の別室隔離、会議への意図的な排除能力開発のための短期研修
④過大な要求遂行不可能な業務の強制教育なしに不可能な業務を強要、私的用事の強制繁忙期の一時的な業務量増加
⑤過小な要求能力とかけ離れた低レベルの業務命令管理職に雑用のみを長期間命じる配慮による一時的な業務軽減
⑥個の侵害プライバシーの過度な侵害交際相手の執拗な詮索、休日の予定への干渉業務上必要な緊急連絡先の確認

(出典:厚生労働省「あかるい職場応援団」

厚労省調査では、パワハラ相談を受けた企業のうち73.0%が「ハラスメントに該当すると判断した事例がある」と回答しています。

セクシュアルハラスメント(セクハラ)|対価型・環境型の違い

セクシュアルハラスメント(セクハラ)とは、職場における性的な言動により、労働者の就業環境が害されることです。男女雇用機会均等法第11条に基づき、すべての事業主に防止措置が義務付けられています。

セクハラは大きく 2つの類型 に分けられます。

  • 対価型セクハラ:性的な言動への対応(拒否・抗議など)を理由に、解雇・降格・減給などの不利益を与えるもの
  • 環境型セクハラ:性的な言動によって職場環境が不快になり、労働者の能力発揮に悪影響を与えるもの

重要なのは、セクハラの被害者は女性に限りません。男性が被害者となるケースや、同性間でのセクハラも法的に認められています。また、性的指向やジェンダーアイデンティティに関する侮辱的な言動(いわゆるSOGIハラ)もセクハラに含まれます。

マタニティハラスメント(マタハラ)|妊娠・出産に関する不利益取扱い

マタニティハラスメント(マタハラ)とは、妊娠・出産、育児休業等の取得を理由とする不利益取扱いや、これらに関する嫌がらせのことです。男女雇用機会均等法および育児・介護休業法に基づき、防止措置が義務化されています。

マタハラには 2つのタイプ があります。

  • 制度等の利用への嫌がらせ型:産休・育休の取得を申し出た従業員に対して「迷惑だ」「戻ってきても居場所はない」といった発言をするケース
  • 状態への嫌がらせ型:妊娠による体調不良で業務効率が低下した従業員に対して「妊婦は使えない」と発言するケース

厚労省調査では、過去5年間に女性労働者の26.1%がマタハラを経験したと回答しています。

パタニティハラスメント(パタハラ)|男性の育休取得を妨げる言動

パタニティハラスメント(パタハラ)とは、男性が育児休業や育児に関する制度を利用しようとした際に受ける嫌がらせや不利益取扱いのことです。育児・介護休業法に基づき、防止措置が義務化されています。

「男のくせに育休を取るのか」「出世に響くぞ」といった発言が典型例です。厚労省調査では、過去5年間に育児に関わる制度を利用しようとした男性労働者の24.0%がパタハラを経験しています。

2022年10月の「産後パパ育休(出生時育児休業)」制度の開始以降、男性の育休取得率は上昇傾向にありますが、取得を申請した途端に嫌がらせを受けるケースは後を絶ちません。企業は制度を整えるだけでなく、「取得を歓迎する組織文化」の醸成が不可欠です。

ケアハラスメント(ケアハラ)|介護休業に関する嫌がらせ

ケアハラスメント(ケアハラ)とは、介護休業や介護に関する制度の利用を理由とする嫌がらせや不利益取扱いのことです。育児・介護休業法に基づき、防止措置が義務化されています。

「親の介護くらい外部に任せろ」「介護休業を取るなら辞めてくれ」といった言動が典型です。企業調査でケアハラの相談があった企業は3.9%と割合は低いものの、前回調査の1.4%から2.5ポイント増加しています。高齢化の進展に伴い、今後さらに増加が見込まれるハラスメントのひとつです。

カスタマーハラスメント(カスハラ)|2026年10月対策義務化

カスタマーハラスメント(カスハラ)とは、顧客・取引先・施設利用者等による、社会通念上許容される範囲を超えた言動によって労働者の就業環境が害されることです。

2025年6月に改正労働施策総合推進法が成立し、2026年10月1日からカスハラ対策が全企業に義務化 されます。これにより、カスハラはパワハラ・セクハラ・マタハラ・ケアハラに続く「5つ目の雇用管理上の措置義務」となります。

厚労省調査では、カスハラ相談のあった企業の割合は27.9%で、業種別に見ると「医療・福祉」(53.9%)、「宿泊業・飲食サービス業」(46.4%)、「不動産業」(43.4%)の順に高い結果でした。

カスハラに該当し得る行為の具体例は以下のとおりです。

  • 身体的な攻撃:殴る、物を投げつける、唾を吐きかける
  • 精神的な攻撃:暴言、人格否定、SNSへの悪評投稿の脅し、土下座強要
  • 威圧的な言動:大声での恫喝、反社会的関係をほのめかす
  • 継続的・執拗な言動:同じクレームの繰り返し、揚げ足取り
  • 拘束的な言動:長時間の居座り、長電話による業務拘束
  • 不当な要求:契約を著しく超えたサービスの要求、不当な損害賠償請求

職場で発生頻度の高いハラスメント8種

法令で直接定義されていなくても、職場で頻繁に発生し、放置すれば離職やメンタルヘルス不調の原因となるハラスメントがあります。以下の8種は、人事・労務の現場で特に相談件数が多く、管理職として「知らなかった」では済まされないものばかりです。

モラルハラスメント(モラハラ)|精神的な攻撃・支配

モラルハラスメント(モラハラ)とは、言葉や態度によって相手の人格・尊厳を傷つけ、精神的に追い詰める嫌がらせ行為です。パワハラとの最大の違いは、立場の優位性を必ずしも前提としない点にあります。上司から部下だけでなく、同僚間、さらには部下から上司に対しても発生します。

典型的な行為の例:

  • 人格を否定する侮辱(「能無し」「使えない」等の発言)
  • 挨拶や業務連絡を意図的に無視する
  • 本人に聞こえるように悪口を言う、悪い噂を流す
  • 業務に必要な情報をわざと伝えない
  • 懇親会や会議から特定の人だけ排除する

モラハラが発覚した場合、就業規則に基づく懲戒処分(降格・減給・出勤停止等)の対象となり得ます。悪質な場合は諭旨解雇や懲戒解雇に至ることもあるため、企業は早期発見の仕組みづくりが不可欠です。

アルコールハラスメント(アルハラ)|飲酒の強要

アルコールハラスメント(アルハラ)とは、飲酒に関する嫌がらせ行為のことです。イッキ飲みの強要、飲めない人への執拗な勧酒、酔った上での暴言・暴力、飲まない人への不当な評価などが該当します。

体質的にアルコールを受けつけない人は日本人の約4割にのぼるとされ、飲酒の強要は場合によっては生命に関わる危険な行為です。近年は若手社員を中心に「飲み会文化」への抵抗感も強まっており、企業としては「飲酒を前提としない交流」のあり方を再設計する時期に来ています。

スメルハラスメント(スメハラ)|体臭・香水による不快感

スメルハラスメント(スメハラ)とは、体臭・口臭・香水・柔軟剤などのにおいによって周囲に不快感を与えることです。

スメハラの難しさは、加害者に悪意がないどころか、本人が気づいていないケースがほとんどである点にあります。企業としての対応策は、特定個人を名指しするのではなく、全社向けの身だしなみガイドラインの策定や、空気清浄機の設置・座席配置の工夫など、環境面からのアプローチが現実的です。

ロジカルハラスメント(ロジハラ)|正論で相手を追い詰める

ロジカルハラスメント(ロジハラ)とは、正論を振りかざして相手を論理的に追い詰め、反論の余地を与えずに精神的なダメージを与える行為です。

ロジハラの本質は「正しいことを言っている」点にあり、だからこそ被害者は反論できず、「自分が悪い」と思い込んでしまいます。管理職やロジカルシンキングに長けた人ほど無自覚に行いやすいため、「正しさ」と「伝え方」は別であるという意識が求められます。

不機嫌ハラスメント(フキハラ)|態度で周囲を萎縮させる

不機嫌ハラスメント(フキハラ)とは、不機嫌な態度を取り続けることで周囲に精神的な圧力や不快感を与えるハラスメントです。モラルハラスメントの一種に位置づけられます。

無言のため息、舌打ち、物を荒く扱う、特定の人にだけ冷たい態度をとる——。言葉による直接的な攻撃ではないため、被害者が「自分が気にしすぎなのか」と悩みやすく、問題が長期化しやすい特徴があります。フキハラはチーム全体に「機嫌取り」の負荷がかかり、心理的安全性を著しく損ないます。

時短ハラスメント(ジタハラ)|業務改善なき残業削減の強要

時短ハラスメント(ジタハラ)とは、業務量や体制を見直さないまま残業削減や労働時間短縮を過度に強要し、従業員に精神的・身体的負担を与える行為です。働き方改革の推進に伴い顕在化した、比較的新しいタイプのハラスメントです。

「今月から残業ゼロにして」「定時で帰れ」と指示するだけで、業務量の調整や人員補充を一切行わないケースが典型です。管理職に求められるのは「早く帰れ」と言うことではなく、「早く帰れる仕組み」を作ることです。

エイジハラスメント(エイハラ)|年齢を理由にした差別

エイジハラスメント(エイハラ)とは、年齢を理由にした差別的な言動や嫌がらせのことです。「もう歳なんだから無理しないで」「若いくせに生意気だ」「おじさんには分からないでしょ」といった発言が典型です。

エイハラは中高年に対するものだけでなく、若手に対する年齢差別も含まれます。年齢によって能力や適性を一方的に決めつける行為は、多様な世代が協働する現代の職場にふさわしくありません。

ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)|性別役割の押し付け

ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)とは、性別を理由とする差別的な言動や、「男らしさ」「女らしさ」といった性別役割を押し付ける行為のことです。

典型的な行為の例:

  • 「お茶くみは女性の仕事」「力仕事は男がやるべき」という業務の固定的な割り振り
  • 「女のくせに」「男なら泣くな」といった発言
  • LGBTQなどの性的マイノリティに対する差別的言動
  • 「男性社員は営業、女性社員は事務」という暗黙のキャリアコースの固定化

ジェンハラは当事者だけでなく、それを見聞きする周囲の従業員にも心理的負担を与えます。企業にはアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)に関する研修の実施など、組織風土そのものを変える取り組みが求められます。

2026年の新型・注目のハラスメント6種

テクノロジーの進化や働き方の変化、社会のダイバーシティへの意識の高まりを背景に、近年新たに注目されるようになったハラスメントを6つ紹介します。

リモートハラスメント(リモハラ)|在宅勤務中の監視・干渉

リモートハラスメント(リモハラ)とは、リモートワーク環境下で発生するパワハラやセクハラなどの総称です。

リモハラの具体例:

  • 進捗報告を過度に求める、Webカメラの常時接続を強要する(過剰監視)
  • たまたま連絡が取れなかったことを「サボっている」と一方的に叱責する
  • オンライン会議で「部屋をもっと映して」と私的空間への介入を要求する
  • 映り込んだ家族や部屋の様子について過度にコメントする
  • 就業時間後のオンライン飲み会への参加を強要する

リモハラが発生しやすい背景には、「姿が見えないことへの不安」があります。管理職は「監視」ではなく「成果管理」への発想転換が求められます。

テクノロジーハラスメント(テクハラ)|ITスキル格差による嫌がらせ

テクノロジーハラスメント(テクハラ)とは、ITの知識やスキルが乏しい人に対して行われるいじめや嫌がらせのことです。

テクハラの具体例:

  • 適切な説明をせずに「こんなこともできないのか」と突き放す
  • ITリテラシーの低い人にわざと専門用語だけで業務指示を出す
  • 高度なITスキルが必要な業務を意図的に割り振り、失敗を責める

DX推進やAI導入が加速する中、テクハラのリスクは今後さらに高まる可能性があります。企業はIT研修の充実とともに、「できない人を責めない」文化の醸成が不可欠です。

ソーシャルハラスメント(ソーハラ)|SNSを使った嫌がらせ

ソーシャルハラスメント(ソーハラ)とは、SNS(ソーシャルメディア)を通じて行われる職場関連の嫌がらせのことです。

ソーハラの具体例:

  • 上司が部下にSNSの友達申請を執拗に送る
  • 「いいね」やコメントを事実上強要する
  • 部下のSNS投稿を監視し、プライベートの過ごし方について言及する
  • 職場の写真や動画を本人の許可なくSNSに投稿する

企業のSNSガイドラインに「業務上の関係者に対するSNS上の行為についての注意事項」を盛り込むことが効果的です。

シングルハラスメント|未婚者への無神経な発言

シングルハラスメントとは、未婚者や独身者に対して、結婚や恋愛に関する不用意な発言や行動で精神的苦痛を与えることです。

典型的な行為の例:

  • 「そろそろ結婚しないの?いい年なんだから」
  • 「独身だから残業できるよね」と頻繁に残業を依頼する
  • 家族の有無で業務負担に差をつける(転勤・残業の強要)

未婚者の人生設計を尊重し、家族の有無で業務負担に差をつけない組織運営が求められます。

ハラスメントハラスメント(ハラハラ)|過剰な被害主張

ハラスメントハラスメント(ハラハラ)とは、正当な業務指導や注意に対して「それはハラスメントだ」と過剰に主張し、相手を萎縮させたり業務遂行を妨害したりする行為のことです。

ハラハラの存在は管理職の「指導控え」を招き、組織の人材育成機能を低下させかねません。企業には、ハラスメントの正確な定義を全社員に教育し、「適正な指導」と「ハラスメント」の境界線を明確にすることが重要です。

AIハラスメント(AIハラ)・就活ハラスメント(就ハラ・オワハラ)

AIハラスメント(AIハラ) は、AI技術の導入・運用に際して「AIだから仕方ない」「AIが正しい」といった論理で人の意見を封じたり、不利益な扱いを正当化したりするハラスメントです。AI導入が急速に進む2026年以降、企業として特に注視すべき新しい類型です。

就活ハラスメント(就ハラ) は、就職活動中の学生に対する嫌がらせの総称です。特に「オワハラ」(就活終われハラスメント)は、内定辞退を阻止するために「他社の選考を辞退しろ」と強要する行為を指します。2026年の法改正で就活セクハラへの防止措置義務が新設されるなど、法的な対応も強化されています。

【チェックリスト付き】指導とハラスメントのグレーゾーン判断基準

ハラスメント対策を推進するうえで、企業が最も頭を悩ませるのが「グレーゾーン」の問題です。厚労省調査でも「ハラスメントかどうかの判断が難しい」と回答した企業が59.6%で最多となっており、管理職の多くが明確な基準を持てないまま現場で指導を行っています。

パワハラの境界線|6類型ごとの典型例とグレーゾーン

パワハラを判断するうえでの大原則は「業務上の必要性と相当性」です。どれだけ厳しい言動であっても、業務上の必要性があり、その方法が社会通念上許容される範囲内であれば、正当な指導と判断されます。

行為×パワハラとなるケース○正当な指導となるケース
口頭での叱責人格否定・暴言(「バカ」「使えない」)を含む、大声で長時間怒鳴るミスの原因を具体的に指摘し、改善方法を示す
繰り返しの注意些細なミスに毎回過剰反応し、感情的に責める同じミスが繰り返される場合に冷静に是正を求める
業務外のLINE連絡深夜・休日に頻繁に業務指示、返信を強要する緊急事態時の最小限の連絡にとどめる
業務量の増減嫌がらせ目的で過大・過小な業務を長期間強制する能力開発・配慮を目的とした一時的な調整
別室への移動懲罰目的での長期間の隔離プロジェクト参加のための短期的な異動

セクハラの境界線|褒め言葉・飲み会の誘いはどこから?

セクハラのグレーゾーンはパワハラ以上に主観的な要素が絡み、難しい判断を迫られるケースが多くあります。基本的な判断基準は「平均的な労働者の感じ方」です。

社労士事務所が2025年に実施した1,800人対象の調査では、以下の行為が「ハラスメントに当てはまる」と回答した割合が高く、管理職と非管理職の間に3〜7ポイントの認識ギャップが存在することが明らかになっています。

グレーゾーン行為「ハラスメントに当てはまる」とした割合
業務時間外のLINEでの連絡28.6%
肩を叩く26.6%
「若いから体力がある」という発言25.4%
下の名前での呼び捨て25.4%
髪型や服装への指摘23.3%
飲み会への参加要請22.5%
休暇取得の理由を尋ねる19.3%

(出典:sr-aoki.or.jp「社労士NEWS ハラスメントのグレーゾーン事例」)

裁判例に見る判断基準6つのポイント

複数の裁判例と厚労省の指針を踏まえると、ハラスメントか正当な指導かを判断する際の要素は以下の6点に集約されます。

  1. 動機・目的:業務改善・能力向上が目的か、個人への嫌がらせが目的か
  2. 言動の内容と方法:人格を否定する言葉や暴力を含んでいないか
  3. 継続性・頻度:一度きりか、繰り返し・長期間にわたるか
  4. 被害者の状況:新入社員か熟練者か、心身の状況はどうか
  5. 職場環境:周囲に見せしめ的に行っていないか、複数人で集中していないか
  6. 業務との関連性:指摘の内容が業務上の問題に直結しているか、私生活・人格に及んでいないか

管理職のための「アウト・セーフ」早見表

シーン✅ セーフ(適正指導)❌ アウト(ハラスメント)
ミスを注意する「この部分はこうすれば改善できる」と具体的に指摘「何回言えばわかるんだ!バカか!」と人格否定
成果が出ない部下への対応原因を一緒に分析し、具体的な改善策を示す「お前には向いていない、辞めたら?」と退職を示唆
褒め方・声かけ「今日の資料は分かりやすかったです」と業務を評価「最近かわいくなったね」など外見・性的なコメント
メッセージ連絡緊急案件のみ、必要最小限の業務連絡深夜・休日を問わず既読を求める頻繁な連絡
飲み会の誘い参加の自由を保証した案内、断っても態度を変えない「付き合いが悪い」「昇格に影響する」と圧力をかける
部下の私生活業務に支障がある場合に限り、配慮の観点で確認休日の行き先、交際相手を執拗に詮索する

【2026年10月施行】カスハラ対策義務化の全貌

改正労働施策総合推進法の概要

2025年6月4日、カスハラ対策を事業主に義務付ける改正労働施策総合推進法(通称「カスハラ対策法」)が国会で成立しました。施行日は 2026年10月1日 の予定です。

この法改正の最大のポイントは、カスハラ対策が「努力義務」ではなく 「雇用管理上の措置義務」 となることです。労働者が1人でもいれば事業主に該当するため、事実上、すべての企業が対象となります。義務に違反した事業主は、報告徴求命令、助言、指導、勧告、さらには 企業名の公表 の対象となります。

また、事業主・労働者の責務に加えて、顧客等の責務(労働者に対する言動に注意を払うよう努力する義務)も法律上規定された点が画期的です。

(出典:ビジネスローヤーズ「2026年10月カスハラ対策が義務化!企業が講ずべき措置を解説」)

企業に義務付けられる4つの措置

厚生労働省が2025年12月に公表した指針(案)では、企業が講ずべき措置として以下の4つが示されています。

  • ① 方針の明確化と周知・啓発
    • カスハラに毅然とした態度で対応し、労働者を保護する方針をトップメッセージとして発信
    • 具体的な対処方法を定め、マニュアルを作成して全従業員に研修を実施
  • ② 相談体制の整備
    • 相談窓口を設置し、従業員に周知
    • 窓口担当者が適切に対応できるよう、マニュアル作成・研修を実施
  • ③ 事後の迅速かつ適切な対応
    • 事実関係を迅速・正確に確認(録音・録画も含む)
    • 被害者への配慮措置、再発防止策を実施
    • 犯罪に該当し得る言動は警察へ通報
  • ④ 抑止のための措置
    • 特に悪質なカスハラへの対処方針を事前に策定(出入り禁止、警告文発出、法的措置など)
    • 対処を実行できる体制を整備(法務部門・弁護士との連携)

就活セクハラ防止義務化(改正男女雇用機会均等法)

カスハラ対策法と同時に、就活セクハラ(就職活動中の学生等に対するセクハラ)への対策も強化されました。改正男女雇用機会均等法により、企業にはインターンシップ参加者や採用選考中の学生に対するセクハラ防止措置が義務付けられます。

厚労省調査では、インターンシップ中に就活セクハラを経験した学生が30.1%、就職活動中に経験した学生が31.9%と、いずれも約3人に1人が被害に遭っています。

中小企業が今すぐ着手すべき準備ステップ

2026年10月の施行まで時間は限られています。厚労省調査では、カスハラに「特に取り組んでいない」と回答した企業が全体で55.8%に上ります。

中小企業が最低限着手すべき準備は以下の4つです。

  1. 社内方針の策定:経営トップが「カスハラには毅然と対応する」旨のメッセージを発信する
  2. 対応マニュアルの作成:現場でよくあるクレームとカスハラの線引きを整理し、対処フローを明文化する
  3. 相談窓口の設置:既存のパワハラ相談窓口と兼用でも可。外部委託も選択肢のひとつ
  4. 従業員への研修:「1人で対応させない」「録音・記録を残す」など実践的な内容を共有する

ハラスメントを放置するリスク|判例と損害賠償額

「うちの会社に限ってハラスメントは起きない」という認識は、経営上の重大なリスクを見過ごすことになります。パーソル総合研究所の調査(2022年)によると、ハラスメントを理由として離職した人の数は年間約86.5万人に上り、そのうち約57.3万人が退職理由を会社に伝えないまま離職しているとされています。

(出典:パーソル総合研究所「職場のハラスメントについての定量調査」2022年)

企業の法的責任(安全配慮義務違反・使用者責任)

ハラスメントが発生した場合、企業は2つの法的責任を問われる可能性があります。

  • 使用者責任(民法715条):従業員が職務中に他の従業員に加害行為を行った場合、使用者(企業)が損害賠償責任を負う。防止措置を講じていても免責されないケースが多い
  • 安全配慮義務違反(民法415条):労働契約法第5条に基づき、企業は従業員の生命・身体・精神の安全を確保する義務を負う。相談窓口の未整備、事案への不対応、再発防止策の欠如が認定要因となる

特に重要なのが、積極的に防止措置を講じている企業のパワハラ経験率(15.2%)は、ほとんど取り組んでいない企業(35.1%)の半分以下にとどまっており、対策の効果は数字でも明らかです。

裁判例に見る損害賠償額の実態(50万〜7,800万円超)

パワハラ・セクハラの裁判例では、慰謝料の相場は以下のとおりです。

ケースの深刻度損害賠償の目安備考
軽度のパワハラ(一時的な暴言等)50万〜100万円慰謝料のみ
中程度(継続的な精神的攻撃・セクハラ)100万〜200万円慰謝料+弁護士費用
重度(うつ病・適応障害の発症)100万〜500万円逸失利益・休業損害含む
自殺・重篤な精神障害1,000万〜3,000万円超逸失利益・慰謝料・遺族補償含む
企業の安全配慮義務違反が認定された事例約6,100万円相談窓口未整備・対応放置

企業が安全配慮義務違反を問われた判例では、「相談窓口の利用があったにもかかわらず対応を放置した」ことが決め手となり、総額約6,100万円の支払いが命じられています。

企業に与える5つのダメージ

  1. 離職・採用難:ハラスメントを理由とした離職1人あたりの損失は採用コスト・教育費・生産性低下を合わせて約100万円。粗利率30%の企業では約333万円分の売上に相当
  2. 生産性の低下:ハラスメント被害を受けた従業員の主観的な生産性は通常時の78.1%にまで低下
  3. 訴訟・行政処分:損害賠償請求に加え、労働基準監督署による指導・是正勧告の対象となる
  4. 企業名の公表:2026年10月施行のカスハラ対策義務化違反では、企業名の公表が制裁として規定されている
  5. 組織全体の萎縮:ハラスメントを目撃した従業員の41.4%が「特に何もしなかった(傍観行動)」をとり、職場全体の心理的安全性が失われる

(出典:パーソル総合研究所「職場のハラスメントについての定量調査」)


企業が今すぐ取るべきハラスメント対策6ステップ

ハラスメント対策は「起きてから動く」では遅すぎます。パワハラ防止法が施行されて以降、企業には「措置義務」として予防的な対策が求められており、「知らなかった」「対応が遅れた」では法的責任を免れません。

ステップ①:トップメッセージと方針の明確化

ハラスメント対策の出発点は、経営トップが「当社はハラスメントを絶対に許容しない」という方針を明確に打ち出すことです。厚労省の指針でも、「事業主の方針の明確化及びその周知・啓発」が義務として定められています。

単なる形式的な宣言では不十分です。就業規則・社内規程に明文化し、入社時研修・全社員向けeメール・社内ポータルなど複数の手段で繰り返し周知することで、初めて「組織として本気で取り組んでいる」というメッセージが現場に届きます。

ステップ②:就業規則・社内規程の整備

ハラスメントの定義、禁止行為、違反した場合の懲戒処分の内容を就業規則に明記します。規定が曖昧なまま懲戒処分を行うと、処分自体が「不当処分」として争われるリスクが高まります。

規程整備のポイント:

  • 法令で定義された6種のハラスメントを明示する
  • 行為者への制裁(戒告・減給・降格・懲戒解雇等)の段階を明確にする
  • 相談者・被害者の不利益取扱い禁止を明記する(相談したことへの報復防止)

ステップ③:相談窓口の設置と担当者教育

相談窓口の設置は法令上の義務です。窓口には、①社内窓口(人事・労務担当者または管理職以外の者)と、②外部窓口(社会保険労務士・弁護士・外部EAP機関)の両方を設けることが理想的です。

パーソル総合研究所の調査では、被害者が認識したハラスメントのうち82.4%が会社に未報告のまま放置されています。「上司に言いにくい」「報復が怖い」という心理的ハードルを下げるためには、匿名で相談できる外部窓口が不可欠です。

外部の公的相談窓口一覧:

相談窓口連絡先・概要
総合労働相談コーナー(全国の労働局・労働基準監督署内)無料。電話・対面・匿名可。平日のみ
労働条件相談「ほっとライン」(厚生労働省)フリーダイヤル0120-811-610。平日17〜22時、土日祝9〜21時
みんなの人権110番(法務省)0570-003-110。月〜金8:30〜17:15

(出典:厚生労働省「あかるい職場応援団」相談窓口のご案内)

ステップ④:全社員向けハラスメント研修の実施

研修は全社員を対象に、少なくとも年1回以上実施することが推奨されます。

対象研修の重点テーマ
管理職向け6類型の定義と具体事例、グレーゾーンの判断基準、部下指導でのNG言動チェックリスト、相談を受けた際の初動対応
一般社員向けハラスメントの基礎知識・具体例、被害を受けた際の相談方法、目撃者としての行動、加害者にならないための意識

ステップ⑤:事案発生時の調査・対応フロー構築

ハラスメント発生時の基本対応フロー:

  1. 相談受付:相談者の安全確保、守秘義務の約束、相談内容の記録
  2. 事実確認:被害者・加害者・関係者へのヒアリング(録音・記録を保存)
  3. 判定:ハラスメントの有無・程度の判定(必要に応じて弁護士・社労士に相談)
  4. 被害者への措置:配置転換の申し出・医療機関の紹介・相談継続の保証
  5. 加害者への対処:就業規則に基づく懲戒処分・指導・研修受講命令
  6. 再発防止:職場環境の改善、当事者周辺への周知、定期的なフォローアップ

ステップ⑥:再発防止策と職場環境の継続改善

定期的なPDCAサイクルを回すことがハラスメントゼロの職場づくりの本質です。特に有効なのが「ストレスチェック」と「パルスサーベイ(短期定点調査)」の活用です。

パーソル総合研究所の調査では、「属人思考」(誰が言ったかで評価が変わる、責任の所在を人に求める組織風土)が強い職場ほどハラスメント発生率が高い傾向が確認されています。表面的な対策だけでなく、「誰でも安心して発言できる心理的安全性の高い職場」を目指す組織文化の変革こそが、ハラスメント根絶への本質的なアプローチです。


よくある質問(FAQ)

Q1. 三大ハラスメントとは何ですか?

三大ハラスメントとは、パワーハラスメント(パワハラ)・セクシュアルハラスメント(セクハラ)・マタニティハラスメント(マタハラ) の3種類を指します。いずれも法令で防止措置義務が定められており、企業の対応が最も求められるハラスメントです。厚労省の「あかるい職場応援団」ポータルサイトでも、この3種を中心に企業向けの対策支援が提供されています。

Q2. ハラスメントの種類は全部で何種類ありますか?

法令で定義されているハラスメントは6種類(パワハラ・セクハラ・マタハラ・パタハラ・ケアハラ・カスハラ)です。ただし、社会通念上ハラスメントと認識される行為を含めると50種類以上とされ、分類によっては100種類を超えるとする見方もあります。ハラスメントの種類に上限はなく、社会の変化や働き方の多様化に応じて今後も新しい類型が生まれ続けると考えられます。

Q3. パワハラの6類型とは何ですか?

厚生労働省が定めるパワハラの6類型は、①身体的な攻撃(暴行・傷害)、②精神的な攻撃(暴言・名誉毀損)、③人間関係からの切り離し(隔離・無視)、④過大な要求(遂行不可能な業務の強制)、⑤過小な要求(能力とかけ離れた業務の強制)、⑥個の侵害(プライバシーへの過度な介入)の6つです。パワハラとして法的に認定されるためには、「優越的な関係」「業務上相当な範囲を超えている」「就業環境が害されている」の3要件をすべて満たす必要があります。

Q4. 2026年に変わるハラスメント関連の法律は?

2026年の最大の変更点は、2026年10月1日施行のカスハラ対策義務化(改正労働施策総合推進法)です。これにより、すべての企業に顧客等による著しい迷惑行為への対策が義務付けられます。また同時期に、就活セクハラ防止義務化(改正男女雇用機会均等法)も施行され、インターンシップ参加者や就活生へのセクハラ防止措置も企業に求められます。

Q5. ハラスメントを受けたらどこに相談すればよいですか?

まずは社内の相談窓口(人事・労務担当者)への相談が基本です。社内への相談が難しい場合は、厚労省の「総合労働相談コーナー」(全国の労働局・労働基準監督署内、無料・匿名可)、平日夜間・土日も対応する「労働条件相談ほっとライン(0120-811-610)」、人権問題全般を扱う「みんなの人権110番(0570-003-110)」が主な窓口です。深刻なケースでは、労働問題に詳しい弁護士への相談も有効です。

Q6. ハラスメントの加害者にならないために管理職が注意すべきことは?

管理職がハラスメントの加害者にならないための最重要ポイントは、「指導の目的」と「言動の方法」を常に意識することです。具体的には、①人格ではなく「行動・結果」を指摘する、②注意は1対1で行い大人数の前での長時間叱責を避ける、③「なぜそうすべきか」の理由と「どう改善すべきか」の方法をセットで伝える、④業務と無関係なプライベートへの介入を避ける、⑤感情が高ぶっている時は「時間をおいてから指導する」の5点が基本です。

まとめ|ハラスメント対策は「知ること」から始まる

本記事では、職場で問題となる20種類以上のハラスメントについて、法令上の定義・具体例・グレーゾーンの判断基準から、2026年最新の法改正動向、判例に見る企業リスク、そして今すぐ実行できる対策6ステップまでを体系的に解説しました。

ハラスメント対策の出発点は、「何がハラスメントで、何がそうでないか」を正確に知ることです。曖昧な認識のまま現場に任せていると、意図しない加害も、泣き寝入りする被害も、どちらも生み出し続けてしまいます。一方で、正確な知識と明確な方針、そして「安心して相談できる環境」を整えた企業では、ハラスメントの発生率が大幅に低下することが厚労省の調査で実証されています。

2026年10月のカスハラ対策義務化を機に、貴社のハラスメント対策を今一度見直してみてください。人が安心して働ける職場は、企業の生産性と持続的な成長の礎になります。

参考・出典
  • 厚生労働省「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査 結果概要」(2024年5月)https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001259093.pdf
  • 厚生労働省「あかるい職場応援団」https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/
  • ビジネスローヤーズ「2026年10月カスハラ対策が義務化!企業が講ずべき措置を解説」https://www.businesslawyers.jp/articles/1457
  • パーソル総合研究所「職場のハラスメントについての定量調査」(2022年11月)https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/harassment/
  • 厚生労働省「労働条件相談ほっとライン」https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/lp/hotline/
  • 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html
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この記事を書いた人

労務問題の課題解決メディア『ROUMU2.0』の企画編集部。企業法務弁護士ナビやBackOfficeDBなど、労務問題の解決手段を提供している。

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