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年末調整しないとどうなる?会社側・従業員側の罰則とリスク、忘れた場合の対処法を徹底解説

年末調整しないとどうなる?

年末調整は、給与所得者の所得税を正しく精算するために欠かせない手続きです。しかし「忙しくて書類を出し忘れた」「会社が年末調整をしてくれない」といったケースは少なくありません。

年末調整をしないと、会社側には法的罰則が科される可能性があり、従業員側にも税金の過払いや各種控除の喪失といった深刻なデメリットが生じます。

本記事では、年末調整をしなかった場合に起こる具体的なリスクを会社側・従業員側それぞれの視点から解説し、忘れてしまった場合の対処法や2025年〜2026年の最新制度変更まで網羅的に解説します。

この記事の要約
  • 年末調整をしないと会社側は所得税法違反で罰則(1年以下の懲役または50万円以下の罰金)の対象になる
  • 従業員側は税金の過払い・各種控除の喪失・住民税の増額などのデメリットが発生する
  • 忘れた場合でも確定申告や還付申告で対処可能。期限は原則5年以内
目次

年末調整とは?仕組みと目的をわかりやすく解説

年末調整の基本的な仕組み

年末調整とは、会社(雇用主)が従業員に対して1年間に支払った給与・賞与から源泉徴収した所得税の合計額と、実際に納めるべき所得税額との差額を精算する手続きです。

毎月の給与から天引きされる源泉徴収税額は、あくまで概算で計算されています。そのため、年末に1年間の給与総額が確定した時点で、正確な税額を再計算し、過不足を調整する必要があります。

この仕組みは所得税法第190条に規定されており、雇用主に課せられた法的義務です。年末調整を通じて、生命保険料控除、配偶者控除、住宅ローン控除(2年目以降)などの各種所得控除・税額控除が適用され、多くの場合は払いすぎた税金が従業員に還付されます。

年末調整と確定申告の違い

年末調整と確定申告はどちらも所得税を精算する手続きですが、その主体と対象が異なります。年末調整は会社が従業員に代わって行う手続きであり、給与所得のみを対象とします。一方、確定申告は納税者本人が税務署に対して行う手続きで、給与所得以外の所得(事業所得、不動産所得、雑所得など)も含めた全ての所得を対象とします。

給与所得者の多くは年末調整だけで所得税の精算が完了するため、原則として確定申告は不要です。ただし、年収が2,000万円を超える場合や、医療費控除・寄附金控除(ふるさと納税の確定申告)を受ける場合など、確定申告が必要になるケースもあります。

年末調整の対象者と対象外の人

年末調整の対象となるのは、原則として「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を勤務先に提出している人です。正社員だけでなく、パートやアルバイトであっても、この申告書を提出していれば年末調整の対象になります。

一方、年末調整の対象外となる主なケースは以下の通りです。

  • 年間の給与収入が2,000万円を超える人
  • 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出していない人(乙欄適用者)
  • 年の途中で退職し、12月31日時点で再就職していない人(一部例外あり)
  • 災害減免法の適用を受けている人
  • 非居住者

2か所以上で勤務している場合は、主たる給与の支払者(メインの勤務先)でのみ年末調整を行い、従たる給与については確定申告で精算します。

【会社側】年末調整をしないとどうなる?罰則とリスク

所得税法違反による刑事罰

年末調整は所得税法で定められた雇用主の義務であり、これを怠ると法的な罰則を受ける可能性があります。所得税法第242条では、年末調整に関する書類に虚偽の記載をした場合や、必要な届出を行わなかった場合について、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が定められています。

さらに重大なケースとして、源泉徴収した所得税を国に納付しなかった場合は、所得税法第240条により10年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはその併科という厳しい罰則が適用される可能性があります。
[参照元]4. 申告納税制度|国税庁

不納付加算税・延滞税の発生

刑事罰に至らなくても、源泉所得税の納付が遅れた場合には行政上のペナルティが課されます。

不納付加算税は、源泉所得税を法定納期限までに納付しなかった場合に課される附帯税で、原則として納付すべき税額の10%が加算されます。

ただし、税務署からの通知を受ける前に自主的に納付した場合は5%に軽減されます。また、法定納期限から1か月以内に納付し、かつ過去1年間に源泉所得税を期限内に納付していた場合は、不納付加算税が免除されることもあります。[参照元]加算税制度の概要|財務省

延滞税は、法定納期限の翌日から完納の日までの期間に応じて課されます。納期限の翌日から2か月以内は年率約2.4%(2024年の場合)、2か月を超えると年率約8.7%に引き上げられます。未納期間が長引くほど延滞税は膨らむため、速やかな対応が求められます。

従業員からの信頼失墜と人材流出リスク

年末調整を適切に実施しない企業は、従業員からの信頼を大きく損ないます。年末調整が行われないと、従業員は自分で確定申告をしなければならず、税務知識のない従業員にとっては大きな負担です。こうした状況が続くと「法令を守らない会社」という評判が広まり、人材の定着率や採用活動にも悪影響を及ぼします。

特に近年は口コミサイトやSNSを通じて企業の労務管理体制に関する情報が拡散しやすくなっており、年末調整を怠る企業への風当たりは強まっています。

税務調査のリスク増大

年末調整の未実施や不備は、税務署の税務調査の対象となるリスクを高めます。税務調査で源泉徴収義務の不履行が発覚した場合、過去にさかのぼって追徴課税が行われることもあります。加えて、悪質と判断された場合には重加算税(納付すべき税額の35%〜40%)が課される可能性もあり、企業にとって非常に大きな財務的打撃となります。

【従業員側】年末調整をしないとどうなる?デメリットと影響

各種控除が適用されず税金の過払いが発生する

年末調整をしないと、本来受けられるはずの所得控除や税額控除が適用されません。具体的には、配偶者控除・配偶者特別控除、扶養控除、生命保険料控除、地震保険料控除、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除の2年目以降)、社会保険料控除の一部などが反映されないままになります。

その結果、毎月の源泉徴収で概算として多めに天引きされた所得税がそのまま確定し、税金を必要以上に納めた状態が続くことになります。たとえば、生命保険料控除と配偶者控除の両方が適用されないケースでは、数万円〜十数万円の還付金を受け取れない可能性があります。

還付金を受け取れない

年末調整を行えば、払いすぎた所得税が12月や翌年1月の給与と合わせて還付されます。しかし年末調整が行われなければ、この還付は実施されません。還付金を受け取るには、自分で確定申告(または還付申告)を行う必要があり、手間と時間がかかります。

翌年の住民税が高くなる可能性がある

年末調整の結果は、翌年度の住民税の計算にも反映されます。年末調整をしないまま各種控除が適用されないと、所得金額が実際より高く計算されてしまい、翌年6月から天引きされる住民税が本来の額より高くなる恐れがあります。住民税は前年の所得に基づいて計算されるため、年末調整をしなかった影響は翌年にまで及びます。

ふるさと納税のワンストップ特例制度が無効になる

ふるさと納税を利用してワンストップ特例制度を申請していた場合、年末調整がなされず確定申告を行うことになると、ワンストップ特例の申請が自動的に無効になります。確定申告でふるさと納税の寄附金控除を改めて申告しなければ、税額控除が受けられなくなるため注意が必要です。

ワンストップ特例制度は「確定申告をしない給与所得者」を前提とした制度のため、確定申告を行う場合には寄附先の全自治体分をまとめて申告し直す必要があります。

確定申告の手間と負担が発生する

年末調整が行われなかった従業員は、自分で確定申告を行って所得税を精算しなければなりません。確定申告には、源泉徴収票、各種控除の証明書(生命保険料控除証明書、住宅ローンの残高証明書など)の収集が必要で、初めて行う場合は手続きの複雑さに戸惑うことも多いでしょう。

確定申告の期限は原則として翌年2月16日から3月15日までですが、還付申告であれば翌年1月1日から5年間申告が可能です。

所得証明書・課税証明書の発行に支障が出る

年末調整が完了しないと、勤務先から発行される源泉徴収票の内容が不正確になったり、発行が遅れたりする可能性があります。源泉徴収票は住宅ローンの審査、保育園の入所申請、各種行政手続きなど、さまざまな場面で必要となる書類です。

また、市区町村が発行する所得証明書(課税証明書)も、年末調整の結果が反映されていないと正確な内容にならず、各種手続きに支障をきたすことがあります。

年末調整をしなくてもよいケースとは?

年間の給与収入が2,000万円を超える場合

年間の給与収入が2,000万円を超える従業員は、年末調整の対象外です。この場合、従業員自身が確定申告を行って所得税を精算する必要があります。高所得者は各種控除の適用や所得税率の計算が複雑になるため、確定申告による精算が求められています。

扶養控除等(異動)申告書を提出していない場合

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を勤務先に提出していない従業員は、源泉徴収税額表の「乙欄」が適用されます。乙欄適用者は年末調整の対象外となり、税率も甲欄より高く設定されています。副業先や2か所目以降の勤務先では、原則として乙欄が適用されます。

年の途中で退職した場合

年の途中で退職し、12月31日時点で再就職していない場合は、原則として年末調整の対象外です。ただし、以下のケースでは退職時に年末調整を行うことがあります。

  • 死亡により退職した場合
  • 著しい心身の障害のため退職し、再就職が見込めない場合
  • 12月中に給与を受けたあとに退職した場合
  • パート・アルバイトの退職で、その年の給与総額が103万円以下の場合

これら以外の中途退職者は、退職後に自分で確定申告を行う必要があります。

災害減免法の適用を受けている場合

災害によって住宅や家財に一定以上の損害を受け、災害減免法の適用を受けた従業員も、年末調整の対象外です。この場合は確定申告で所得税の軽減や免除を受けることになります。

年末調整を忘れた場合の対処法

会社に年末調整のやり直しを依頼する(翌年1月31日まで)

年末調整の書類提出期限に間に合わなかった場合でも、翌年1月31日の法定調書の提出期限までであれば、会社に年末調整のやり直しを依頼できる可能性があります。まずは速やかに人事・総務部門に相談し、必要書類を提出しましょう。

ただし、会社側が法定調書の提出を済ませた後では、年末調整のやり直しに応じてもらえないケースもあります。その場合は、以下の確定申告による対処が必要です。

確定申告を行う(翌年2月16日〜3月15日)

年末調整が行われなかった場合、翌年の2月16日から3月15日までの確定申告期間に、自分で確定申告を行うことで所得税の精算ができます。確定申告には以下の書類が必要です。

  • 源泉徴収票(勤務先から発行されるもの)
  • 各種控除の証明書(生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書など)
  • マイナンバーカードまたは通知カード
  • 本人名義の預金口座情報(還付金の振込先)

e-Taxを利用すれば、自宅からオンラインで確定申告を完了できます。マイナポータルとの連携により、生命保険料控除証明書などの電子データを自動取得することも可能になっています。

還付申告を行う(5年以内)

確定申告の期限(3月15日)を過ぎてしまった場合でも、「還付申告」として5年以内であれば申告可能です。還付申告は、所得税を納めすぎている場合に還付を受けるための手続きで、翌年1月1日から5年間、いつでも提出できます。

たとえば、2025年分の年末調整を忘れた場合、2026年1月1日から2030年12月31日までの間であれば還付申告が可能です。ただし、申告が遅れるほど還付金の受け取りも遅れるため、できるだけ早めに手続きすることをおすすめします。

【2025年〜2026年最新】年末調整の制度変更ポイント

基礎控除の引き上げ(2025年分〜)

2025年分(令和7年分)の年末調整から、基礎控除額が見直されています。従来は一律48万円だった基礎控除が、合計所得金額に応じて58万円〜95万円の範囲で適用される暫定的な措置が導入されました。特に合計所得金額が2,350万円以下の場合は58万円に引き上げられており、多くの給与所得者にとっては実質的な減税となります。
[参照元][2025年(令和7年)]年末調整の変更点3つと実務対応の注意点をわかりやすく解説|OBC360°

なお、この措置は2025年・2026年の2年間限定の暫定措置であり、2027年以降は一律58万円の控除に戻る見込みです。

給与所得控除の引き上げ(2025年分〜)

2025年分から、給与収入190万円以下の人を対象に、給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に引き上げられました。これにより、いわゆる「年収103万円の壁」が「年収123万円の壁」に実質的に引き上げられたことになります。

パートやアルバイトで働く人にとっては、年収123万円までは所得税が非課税となるため、より柔軟な働き方が可能になりました。
[参照元]「2025年 年末調整」変更点と新制度まとめ|HRプロ

特定親族特別控除の新設(2025年分〜)

2025年分から「特定親族特別控除」が新たに創設されました。19歳以上23歳未満の親族(大学生世代)の合計所得金額が一定の範囲内であれば、納税者の所得から段階的に控除を受けられる制度です。

従来の扶養控除では、19歳〜22歳の特定扶養親族の合計所得金額が48万円(給与収入103万円)を超えると控除が一切受けられなくなっていました。新制度では所得が増えても段階的に控除額が減少する仕組みのため、大学生の子どもがアルバイトで稼いでも急に控除がなくなるリスクが軽減されています。

年末調整の電子化とマイナポータル連携の進展

年末調整の電子化は年々進展しています。国税庁の「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)」を利用すれば、従業員はマイナポータルから保険料控除証明書などの電子データを取得し、申告書を電子的に作成・提出できます。

2025年以降は、マイナポータルとの連携対象となる証明書の範囲がさらに拡大しており、紙の証明書を収集する手間が大幅に削減されています。企業の人事労務担当者にとっても、電子データでの受領と処理により業務効率が向上します。

パート・アルバイト・副業者の年末調整の注意点

パート・アルバイトでも年末調整は必要

パートやアルバイトであっても、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出していれば年末調整の対象です。「自分はパートだから年末調整は関係ない」と誤解している人もいますが、これは正しくありません。

ただし、年間の給与収入が103万円以下(2025年以降は123万円以下)であれば所得税は発生しないため、年末調整をしなくても実質的な不利益は少ないケースもあります。それでも、源泉徴収されている場合は年末調整や確定申告を行うことで還付を受けられる可能性があります。

2か所以上で働いている場合(ダブルワーク)

2か所以上で勤務している場合は、主たる勤務先(メインの職場)にのみ「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出し、そちらで年末調整を受けます。従たる勤務先(サブの職場)では年末調整は行われず、源泉徴収税額は乙欄が適用されます。

2か所以上から給与を受けている場合、年末調整だけでは所得税の精算が完了しないため、原則として確定申告が必要です。ただし、主たる給与以外の給与収入と他の所得の合計が20万円以下であれば、確定申告は不要とされています(住民税の申告は別途必要)。

産休・育休中の年末調整

産休・育休中であっても、その年に給与の支払いがあった場合は年末調整の対象となります。出産手当金や育児休業給付金は非課税のため、給与所得には含まれません。育休中で年間の給与収入が大幅に減少している場合は、年末調整を通じて所得税の還付を受けられる可能性が高いです。

年末調整を円滑に進めるための実務チェックリスト

人事労務担当者向けチェックリスト

年末調整を漏れなく実施するため、以下のスケジュールとチェックポイントを確認しましょう。

10月〜11月(準備期間)

  • 年末調整対象者のリストアップ(中途入社・退職者の確認を含む)
  • 従業員へ年末調整関連書類の配付と記入依頼
  • 提出期限の設定と周知(社内締め切りの設定)
  • 前年からの変更点(制度改正)の確認と社内周知

11月〜12月(実施期間)

  • 提出された書類の記載内容チェック(扶養控除等申告書、保険料控除申告書、配偶者控除等申告書、住宅借入金等特別控除申告書)
  • 控除証明書の添付確認
  • 年末調整計算の実施(給与計算ソフトの活用)
  • 過不足税額の精算(還付または追加徴収)

翌年1月(事後処理)

  • 源泉徴収票の作成・交付(従業員への交付期限:翌年1月31日)
  • 法定調書合計表の作成・提出(税務署への提出期限:翌年1月31日)
  • 給与支払報告書の作成・提出(市区町村への提出期限:翌年1月31日)

従業員向けチェックリスト

  • 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の記入・提出
  • 生命保険料・地震保険料の控除証明書の収集
  • iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金払込証明書の収集
  • 住宅ローン控除の残高証明書の準備(2年目以降の場合)
  • 前職の源泉徴収票の提出(中途入社の場合)
  • 扶養家族の所得見込みの確認(配偶者や子どもの年収が控除対象範囲内か)

よくある質問(FAQ)

Q1. 会社が年末調整をしてくれない場合はどうすればいいですか?

まず会社の人事・総務部門に年末調整の実施を求めましょう。年末調整は所得税法で雇用主に義務づけられた手続きです。それでも対応してもらえない場合は、自分で確定申告を行うことで所得税の精算が可能です。また、会社の対応が改善されない場合は、管轄の税務署に相談することもできます。

Q2. 年末調整を忘れたまま退職した場合はどうなりますか?

年の途中で退職し年末調整が行われなかった場合は、退職後に確定申告を行う必要があります。退職時に発行される源泉徴収票をもとに確定申告をすれば、払いすぎた所得税の還付を受けることができます。転職先がある場合は、前職の源泉徴収票を転職先に提出すれば、転職先で合算して年末調整を行ってもらえます。

Q3. 年末調整しなかった場合のペナルティは従業員にもありますか?

年末調整をしなかったこと自体に対する従業員への直接的な罰則はありません。年末調整の実施義務は雇用主にあります。ただし、年末調整が行われず、なおかつ確定申告も行わなかった場合は、所得税の申告義務を怠ったとして無申告加算税(最大20%)や延滞税が課される可能性があります。

Q4. 年末調整と確定申告の両方が必要なケースはありますか?

はい、以下のようなケースでは年末調整に加えて確定申告も必要です。年末調整では対応できない控除(医療費控除、寄附金控除、雑損控除など)を受ける場合、2か所以上から給与を受けている場合、給与以外の所得が20万円を超える場合、住宅ローン控除を初めて受ける年(初年度のみ確定申告が必要)などが該当します。

Q5. 2025年から「103万円の壁」が変わったと聞きましたが、年末調整にどう影響しますか?

2025年分から給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に引き上げられたため、基礎控除58万円と合わせて給与収入123万円までは所得税が非課税となりました。これにより、パート・アルバイトの方がより多く働いても所得税がかからなくなり、扶養内で働く際の収入上限も実質的に引き上げられています。年末調整時には、この新しい控除額が自動的に反映されます。

まとめ

年末調整は、会社側にとっては所得税法上の義務であり、従業員にとっては税金を正しく精算するための重要な手続きです。年末調整をしないと、会社側は最大で10年以下の懲役や200万円以下の罰金、従業員側は税金の過払い、住民税の増額、各種控除の喪失といった深刻なデメリットが生じます。

万が一年末調整を忘れてしまった場合でも、確定申告や還付申告で対処することは可能です。還付申告は5年以内であれば申請できるため、まずは慌てず必要書類を揃えて手続きを進めましょう。

2025年〜2026年は基礎控除の引き上げや特定親族特別控除の新設など制度変更も多い年です。人事労務担当者の方は最新の制度改正情報を把握し、従業員への周知と書類の準備を早めに進めることが大切です。年末調整の電子化やクラウド給与計算ソフトの活用も検討し、業務の効率化とミスの防止を図りましょう。

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この記事を書いた人

労務問題の課題解決メディア『ROUMU2.0』の企画編集部。企業法務弁護士ナビやBackOfficeDBなど、労務問題の解決手段を提供している。

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